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＞直線さん
さ、最速の兄貴っ！？　しかし私には速さはないのですorz
光の翼みたいにところどころネタ仕込んでたりしますｗ
にしても月光蝶ですかー、光の翼の応用でなんとかなるかな（ぇ

＞マーサンさん
いえいえ、こういう意見もぜんぜんオッケーですよ。ありがたいです。
三期に関してはいろいろ考えてますが……いえそのあれなんですよ。
私は三期についてはアンチなので、いろいろここはおかしいだろ！？ってのはあるのですが如何せんやりすぎる気があるので。
壮絶なキャラ叩きに発展しかねないorz
なので別のアプローチを考えています。せっかくのオリキャラなのに原作なぞるのもあれだなーと個人的には思うので。
それに他の作家さん達がその辺に関してはやっていますしね。
あと全部を全部ギャグでまかり通らせる気はないです。大丈夫。
シリアスで対応すべきだろというとこはシリアスに通します。
シュウ君は外見はともかく年齢はSTS開始時期でいえば割といってますしねｗ
ヘタレですが大人な考えもできます。……ほ、ほんとですよ？（汗

＞幹原 克哉さん
久し振りに超★無軌道行動をとらせてみました。そこ、いつもとかいわない。
ツヴァイさんに関してはその予想で当たりですよーｗ

＞あべしさん
いろいろと突っ込み感謝です。
シールドとBJの防御力に関してですが、多分あべしさんが想像してるよりも硬くは無いかと。
シールドは一枚の防御力もそれなりに硬いですがフェイトの攻撃を受けきったのは、というかシュウがシールドを使う場合は必ず多重展開して重ねてるから硬いってのが大きいです。
BJで初期の魔王陛下のSLBを受けて無傷でしたがあくまでも全魔力をＢＪに回したからなんとかなったわけで。
BJで攻撃を受け止めたりしてるのも犯罪者Ａさん相手だけで他の時はシールドで受けてますし。
それにフェイトもなのはも自己リミッターかかってます。明記はしませんでしたが他の方のコメント返しとかで言ってたはず多分。
さすがにAランク相手に全力でやるほど大人気なくはありませんですｗ
なのはの場合は特に教導目的でやっていましたからね、少なくとも最初は（ぁ
スカイダイブの件は流石に私もありえねーと思いましたがネタを優先しました。
まあ防御魔法がランクオーバーな防御力してるのは事実ですが。
今回の斬撃に弱いっていうのはちょっとシュウの防御力高すぎるっぽかったので欠点をいれたかったのです。
なぜに斬撃っていうのもBJ→服→布→切れやすい、けど殴っても穴は開かない→よし弱点：斬撃追加。ぐらいの発想です。
魔法も確かに科学というか物理法則に則った部分もあるのかもしれませんが、重視せずゆるめで書いてます。
というのもメインが戦闘ではないですし、主人公に隠された過去があるわけでもないですし。
話の傾向として魔法に重きをおく必要が無いので意識して細かく設定していません。
でも流石に今回のは極端すぎたかな、と思ったので修正しておきました。
ちなみにツヴァイさんは「ツヴァイ」を日本語訳するとわかると思いますよ。

＞カワウソさん
確かに今回は私もちょっと強引かなあ、と思ってはいましたが＾＾；
引き返さなかったのはあれです。ほら、秘密基地とか隠し通路とか見つけると思わず見てしまいたくなるような。
シュウも男の子ですから、人並みの怖いもの見たさはあるのです。ちょっと興味引かれて「ちょ、ちょっとだけならいいよね」と。
修正したのにも追記しましたがもちろん途中で引き返すつもりでした。
しかしそうは問屋がおろさない。むしろ私が許さない（ぇ
聖遺物の保管庫ですしあれくらいの仕掛けはあるかなーと。
まあバルの行動はいつものことというか。ヤツは直感のまま、赴くままに突っ走るタイプですから。
人に声を～の部分もあんな感じに修正してみましたがいかがでしょうか。
少しはちぐはぐなのも和らいだ……はず。和らいでるといいなあ（ﾏﾃ
傷はあんまり大丈夫じゃないですがヴィータのマウントギガフルボッコよりは軽傷でした（ぇ










＞仕方ない・・・協力してやろうじゃないか・・・・URYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!
時よとまれっ！　そして私に時間を！

＞ヘタレ分に関しては完全にテンプレだったからあずまんがネタで返してほしかった・・・・二回もやったのに・・・難しいネタフリだとはわかりますけど!!!
ごめんなさい、私あずまんがはわからんのですorz

＞シュウは好きになったのが偶々ロリであってロリが好きなわけじゃｱｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ
な、なるほｄ……ってだまされないぞ！ｗ

＞アンケート？　とりあえずシュウ、ロリコン化に一票いｒ（ｒｙ
そんなにシュウをロリコンにしたいのかああああ！ｗ

＞ツヴァイ→?→２→ド(ry …あーあｗ
あーあｗ

＞面白くていつも更新楽しみにしてます。これからもがんばってくださいね
有難うございます。更新速度もできるだけあげていきたいと思ってます（苦笑

＞どう見ても数子2番目です、本当に有難うございました！
死亡フラグ成立です。安らかに眠れシュウ(ぇー!?
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　教会の廊下を歩きながらフルボッコにされた事を思い出して俺はため息をついた。
　乱入と同時にかいしんの一撃をもらい、許すまじと言わんばかりにヴィータにマウントポジションでみっｋ……じゃないボッコボコにされて、俺がいい加減意識とびそうになった頃ようやく彼女らの主である八神からストップが入ったのだ。
　……八神てめえやっぱさっきの根に持ってやがったなチクショウ。
　俺はしっかりみてたんだからな、満足気に笑ってたのを！　この子狸！

＜まあまあ、いつものことじゃないですかますたー＞

「いつものことにすんなああ！　痛かったんだぞ滅茶苦茶ー！？　あんのゲボ子ーーーー！！！」

＜……ますたー、それ死亡フラグ＞

　いつかぜってー復讐してやる、ゲボ子め！　コノウラミハラサデオクベキカ。
　八神ともども俺の考える陰湿で気楽な素敵トラップで衆人環視の下で大恥かくがいいわ！　アハハハハッハハ！！！
　ん？　なんでそこに乱入者その１のシグナムさんとその２ザフィーラが入っていないのかって？
　馬鹿だなあ、あの人らにそんなんしたら磔にされてレヴァンティンで鱠斬りにされるからにきなってるじゃないＫＡ☆

＜どっちにしろ死亡フラグだと思うんですが……ところでますたー＞

「あん？　なんだよ今新しい罠魔法の構築してんだから後にしろよ」

＜今やんなよ。けっこー重要なことなんですが＞

「ん？　……ハッ！？　ま、まさか髭！！？」

＜オチツケ。いや、違いますよホモレーダーに感なしです＞

「そ、そっかよかった……。じゃあ何さ」

＜ますたー、ここ、どこですか？＞

「はあ？　どこって、ここ……は……」

　言われて気づく。
　治療の為に医務室から出て、とりあえず与えられてる客室に向かっていたはず、だったんだけど。
　ぐるりと辺りを一度見回す。外装とかからここが教会の中であることだけは間違いは無い。
　無いん、だけど……。

「どこ、ここ？」

＜さあ？＞

　結論。つまり迷いました。









「じゃねえだろ俺ッ！？」

＜自分に突っ込みとは……成長しましたねますたー。ホロリ＞

　そんな成長はいらんわ！　しかもほろりとか自分でいうなっ。
　そして、またしても律儀に突っ込んでしまう自分になんとなく悲しくなりながら改めて自分の置かれた状況を整理してみる。

　結論。つまり迷いまｓ

　――は、もういいからっ！
　そうじゃないだろ俺！　バルのペースにのせられるな俺。そうだ、クールになるんだ俺。
　……でも、おちついたところで結論かわらないんだよなあ。
　もう一度見回してみるけど現在地がぜんぜんわからない。でも明らかに普段行かないような場所に入り込んでしまったのは間違いない。
　壁伝いにぽつぽつと明かりが灯っているけど本当にそれは極わずかな光でしかない。壁や足元は辛うじて照らされている程度だ。
　居住区や訓練施設だってもっと明るいのに、ちょっとこれは……。
　まるでここが普段から人がいない、もしくは人を入れないことを前提にしているかのようですらあった。

＜なんか中世とかにありそうな地下牢への入り口っぽいですね。雰囲気的に＞

「ち、地下牢……」

＜……おやおやぁ？　ますたー、なんか心拍数あがってますよー？＞

「な、ななななななナンノコトカナ？」

＜中世の地下牢だとありそうですよね。拷・問・器・具・と・か♪＞

「拷問器具っ！！？」

＜うひひひひｗ＞

「うるさいうるさいうるさい！！！」

　こ、こわくなんかないよ？　ほんとだよ？
　……コホン。ともかく。
　ここがどこだかわからない以上、誰か人捜して帰り道教えてもらうのが一番いいと思うが却下。
　何故なら、ここ、どう見ても立ち入り禁止区域っぽい。
　シャッハのスーパーフルボッコタイムは、今日もうすでにヴィータのギガフルボッコタイム食らった身としては簡便してもらいたいのだ。
　なんでとりあえず……進んでみる。
　え、なんで戻らないのかって？　いやそれはあれですよ。男の子はいつだって冒険好きなのです。好奇心は恐怖心を凌駕するのです。たまに。
　ちょっとだけなら大丈夫だよね。やばいと思ったら来た道引き返せばいいだけだし。
　き、気になるんだもん。

＜……今日はよく死亡フラグ踏むなあ＞　

「？　なんか言ったか？」

＜いいえーなんでもー♪＞






*****





「で……結局、ここしか、ないのか……」

＜いい加減あきらめれ、ますたー＞

　聖王様、お許しください。変に好奇心を出した俺が間違っていましたorz
　あれからしばらく歩いてみたものの出口らしい出口は見つからず、結局つきあたりで見つけたこの部屋の前まで戻ってきてしまった。
　道自体は基本的に一本道で迷いようがなかったのでおそらく目の前の部屋に行くためだけの区域なのだろう、ここは。
　……いやね？　俺もこの部屋を見つけた時は流石にこれ以上はやばい感じがして引き返したんだよ？
　でもね、なんでかしらないけど戻ってきちゃうのこの部屋に。あれですか、強力な認識阻害の魔法でも掛かってんですか。
　入れるけれど出れないＧホイホイの人間版ですね、わかります。侵入者がいてもこれで兵糧攻めして餓死させちゃうんですね。
　orz

　しかしながらほんとにこんな場所あったんかと思ってしまう。
　俺も教会のつくりの細部まで知っているわけではないけど、こんなとこがあるなんて聞いたことが無い。
　ということは知っている人物以外はここに入る道をみつけることができないのだろう本当は。そしてそれ以外には容赦なくぶっ殺し仕様、と。

＜ますたーのリアルラックに興奮した！＞

「俺のリアルラックに絶望したッ！！！」

　だってですね、この重厚な扉をみてくださいよ！？
　どうみてもラスボスの間です！　しかも隠しボスっぽい！
　しかもこれみよがしに開いてるし！！！

＜入るしかないですよねー＞

「だが断るッ！」

　入ってたまるかこのポンコツがあああ！！！
　だれが好き好んでこんなとこ入るか！　俺の作戦名はいつだって「いのちをだいじに」なんだよ！！！
　好奇心にも限度ってもんがあるんだよ！　DEAD END確定フラグをなんでわざわざ踏まにゃならんのだっ。

＜しかしその幻想をぶち殺す！【Aggressive Wing Form】セットアーップあんどランー！＞

「ちょ！？」

　ま、また勝手にデバイス起動させやがったなあオマエエエエエ！！！
　そんな俺の心の叫びにもかかわらずデバイスが起動し、変形していく。
　
【Aggressive Wing Form】

　俺のデバイスの3rdフォーム。
　と、言っても名前こそあれだがこの形態に飛行能力は無い。
　本来ならこれが2ndのはずだったのに師匠とポンコツのせいでなぜかあっちが先に出来上がってしまったのでこっちが3rdになっただけ。
　ＳＡ用で、地上での機動力をあげるためにインラインスケートっぽく縦にローラーが並んでる。
　ただ違う点といえばローラーを覆うように、自転車でいう泥はねっぽいのが付いていて先端がやや尖ってる。
　全体的に鋭角だし。なので「Agressive」と銘打っている。
　……ってそんなのはどーでもよくて！

「体がっていうかローラーが勝手にいいいい！？」

＜あっははははは！　ごーあへーっど！＞

　Testament!　とでも言わせたいのかおまえはあああああ！
　しかもいつの間にかバリアジャケットまで！　戦闘確定ですかあああああ！！？
　心の中で泣き叫びながらも体（正確にはデバイス）は勝手に扉の中へと進んでいく。
　……きっとその瞬間、俺はきっと濁った目をしていたことだろう。
　バル、いやポンコツ。
　貴様、あとで、おぼえとけ。

＜！？　な、なんか悪寒が……＞

　そんなバルにニヤリと復讐を決心しつつ、部屋の中に視線を向ける。
　部屋の中も明かりはここにくるまでの通路と大差なく、ほのかに照らす程度だが明らかに違う点があった。
　それは調度品などの豪華さ。
　通路はまさに地下牢への～と地がむき出しになっていたり壁も壁紙などがまったくされていなかったがここは違った。
　何かの特別な部屋というのがありありと伝わってくる、と同時にここに入ったのばれたら絶対にシャッハに殺られるのも確定もした。
　さっさと出よう。とりあえずラスボスの間ではないようだし。
　そう思ってきびすを返そうとしたとき、奥の方から人が出てくるのが見えた。
　薄暗いからわからなかったが目を凝らしてみれば出てきた女性(？)の後ろの方に何かあるのが見える。
　その何かにひどく興味をそそられたが、それよりもここに人がいたということのほうが俺には重要だった。
　ここにいるということはきっと通路から先の戻り方も知っているはず。
　安堵の息をもらしつつ、俺は人影のほうへと近づいていく。もう形振りかまってらんない。死ぬよりもフルボッコのがマシ……なはずだ。
　すると向こうも俺に気づいたのか俺と彼女(？)の目が合う。






　
　そしてなんの前触れも無く、変な感覚が部屋全体を覆うと同時にすべての明かりが消えて扉がガシャンと閉まった。







「は？」

　突然のことに俺は呆然とするしかない。
　しかし次のバルの一言で俺は強引に我に返らされた。

＜ますたー、伏せ！＞

「！？」

　条件反射のようにバルの言うがままに体を伏せる。
　同時にさっきまで俺の首があった場所を暗闇からの銀の軌跡が通過していった。
　…………。

「はあ！？」

＜ぼさっとしない！　うしろうしろー！」

「ッ！」

　声に導かれるままに今度は前に飛ぶ。すると同様に銀の軌跡が首のあった場所が薙ぎはらわれていた。
　……つまりあれか。
　ここはやっぱりラスボスの間で、しかもラスボスは暗殺者だったと。

「ざ、ざっけんなあああ！！！」

　と、叫びたかったがどうにか抑えて心の中で叫ぶにとどめておく。
　なによりもそんなことしている場合じゃない。
　周りは真っ暗闇で敵の姿はまったく見えない。
　目が慣れてくれば別なのだろうけどそれには時間がかかる。
　ということは逃げるにしろ、逃げるにしろしばらくはこのどっからくるかわからない一方的な攻撃をよけ続けなきゃならんわけで。
　さ、最悪……。
　それになんだかさっきから体が重い。

＜戦うという選択はないのかっ。……多分ＡＭＦじゃないですかね。さっき、こっちの自動防御が働きませんでしたし＞

「ほんと最悪じゃないか……orz」

　実戦でAMF使われたの初めてだよ。っていうか使うやついるんだな。
　AMF自体がAAAランクの魔法だというのも一因ではあるが、なによりもその効果が敵味方区別がないのであまり魔導師は使いたがらない傾向がどうもあるっぽい。聞いた話だと。
　使いようによっては有用なんだとは思うけど、俺も罠魔法のひとつとして組んでみたりしたが術式が難しすぎるのと俺が凡人並みの魔力と才能しかないので効果が一瞬しか発揮されない且つ魔力を結構食うってので微妙だなあと思っていたのだった。
　
　おそらくさっきの部屋を覆うような感覚のあれがAMFだったのだろう。
　となると広域AMF。つまりこれで敵も魔法が使えないっていうのが確定した。……高町クラスの怪物じゃない限りは。
　まあ魔法は無いと考えてもいいはず。もし使えるんならそれこそ今の瞬間にでも遠距離から一方的に攻撃できるはずだし。
　やってこないから多分おｋ。
　個人的にはこの隙に敵さんの方から逃げてくれるのがベストなんだけど……なんか殺る気満々だったしなあ、空気的に。
　やっぱり目が慣れるまでなんとか耐えるしかない。バル頼りになるけど、戦闘のときはやたらまじめなので心配はしていないが。
　気配？　そんなもんわかりません。そこまで人間やめてない。
　と――。

＜ますたー！＞

「くっ！」

　再び敵からの攻撃。
　バルの声に反応して体を回避運動に持っていこうとしたの、だが。
　反応が一瞬だけズレた。
　それはバルの反応が遅かったわけではなく、敵の攻撃が俺の左側からの攻撃だったためだ。
　そういえば俺、眼帯で左目みえてないんだったーーー！？
　回避は間に合わない。そう判断した俺はとっさに左腕を盾にして、首を落とす一撃を防ごうとする。
　ＢＪの強度はAMFの影響で若干下がっているかもしれないが多分大丈夫。
　……そうおもっていたんだけど。
　振るわれる銀の軌道は俺の腕によって阻まれたものの、それは俺の首の代わりにBJを切り裂き、ついでに腕もさくっと斬っていった。

「ってえ！」
　
　灼熱感が俺の腕を襲う。
　痛い痛い痛いってばーー！　っていうかなぜにーーー！？
　あの時とは状況ぜんぜんちがうけど、リミッター付きでも高町のSLB受け切ったのになんでこんなあっさり！？

＜あ。言い忘れてましたがますたーのBJ、現在ＡＭＦの影響で割と？いや結構？……とにかく脆くなってますから注意ー＞

「そ、そういうことはもっと先に言えってのーーーー！！！」

　全然若干じゃないよ！　っていうか斬られてから言うなこのバカーーー！

＜ますたー、次！＞

「もうやだあああ！」

　こっちの事情なんかお構いなしに振るわれる容赦ない敵の攻撃を、俺は気合で回避し続けるしかないのだった……。
　






　そうしてどれだけ時間が経っただろうか。
　あの後も俺は敵に攻撃を気合で避けまくった。でもたまに避け切れなくてBJが何箇所かざっくりいった。
　俺自身は死角である左側からの攻撃だけに集中して、あとはバルに任せた。
　左以外はバルの反応だけでなんとか避けれるのがほとんどだったけど、左だけはバルにまかせただけじゃ間に合わないのだ。
　それでも避け切れなくていくらかもらったが頑張って耐えた甲斐はあった。
　ようやく敵の輪郭が見えてきたのだ。
　さすがに細部まではわからないけど、敵の姿がぼんやりとでも見えれば問題ない。
　ついでに敵の武器が長物ではない事、そして武器をもっているのは左手だという事が判明した。
　とは言っても。

＜このままじゃ負けますよねえ＞

　っていうか首ちょんぱか心臓をこうグリっとされそう。
　向こうはノーダメージ。
　こっちには深い傷こそないがこの暗闇の中集中しっぱなしだったせいだろう、だんだんと集中力が切れてきているのがわかる。
　このまま続けていれば結果は言わずもがな。
　防御魔法＋罠魔法＋格闘能力（凡）があって俺はかろーじて戦闘魔導師なんだなーと実感させられた。
　そんなわけで、俺は勝負にでることにする。
　俺はまだ死にたくない。平凡な幸せを手にするまで死んでたまるかーーー！

＜あの、ますたー。元の世界にかえるーとかじゃないんですかそこは＞

　……あ。
　…………うん、今のなし。　俺は生きて元の世界に帰るんだーーー！

＜……ますたー、すごく、かっこわるいです＞

「お黙りっ！」

　なんだかグダグダになりかけていた空気をその一言でとりあえずふっとばし、俺は左手を前に突き出し、なけなしの集中力を引っ張り出す。
　なんだか格闘能力のみで戦うのはすっごい久し振りなので不安がありまくりだがあるもんでなんとかするしかない。
　――今までの戦闘で俺が敵の事を分析できたように、敵もこっちのことを分析できたのは間違いない。
　特に俺の左側が死角になっていることは間違いなく知れていることだろう。
　そして俺の目が暗闇に慣れてきていることも。
　だから敵の攻撃は左か後ろのどちらか。……だと、思う。つーかじゃないと困る。
　敵の姿はまた闇の中にまぎれている。
　そのまましばらくの間どちらも動きが無いまま沈黙の時間が流れていく。
　ありきたりの表現だけど、数秒が何時間にも感じられる。
　それも命がかかってるんだから仕方ないと自分を鼓舞しつつ、集中力を持続し続ける。
　……そして、その時が、きた。

＜！＞

「ッ！」

　ひゅおん、という風が動く音を鋭敏になっている耳が捉えた。
　同時に腰を落とし攻撃に備える。
　そして攻撃は――

＜おっしゃ！　ますたー！＞

　左ッ！
　予測通り左から俺の死角を突く形で放たれる銀の刺突。
　その攻撃に俺は体を左が正面に来るように移動させ、前に突き出した形の左腕を引き戻しつつ開いている右腕で押さえ込むように刺突に掌を当てる
　もちろん高速で迫る刃物に触れるのだからめちゃくちゃ痛いが我慢。
　そして引き戻していた左腕を振り、速度の緩んだ敵の左腕を掴み、敵の体を引き寄せながら

「ッのお！」
　
　右足での高速の蹴りを敵の体の中心に目掛けてぶっぱなし状態で放つ！

「あぐ！？」
　
　放った蹴りは狙い通り、鳩尾にめり込む形で入った。
　正直ここはとりあえずあたればいいやー！　と思っていたので思わず「師匠やシャッハとの訓練は無駄じゃなかったー！」とこっそり喜んだのは内緒だ。
　蹴りが鳩尾にうまく決まらなかったらこのまま腕を極めたまま投げに入る予定だったけど、決まったのならここで完全に敵を無効化する。
　めり込んだままの足のつま先をほんの少しだけ抜いて……できた僅かな“助走距離”と膝の屈伸を利用して、更に打ち上げた。

「ッ！！？」

　生まれた衝撃は横隔膜を、肺を貫いて一時的な呼吸困難を引き起こす。
　そして止めに、僅かではあるが敵の体を打ち上げた勢いも殺さず利用して

「せいやあああっ！！！」

　腕を極めたまま手加減なしで床めがけて投げ、叩きつけた。
















「し、しんどい……」

　なんとか敵を投げ飛ばし、無効化した後すぐに俺の口をついて出た言葉はまずそれだった。

＜ほら、へっばってないでさっさとする！＞

「へーい」

　集中力が欠片も残っていないのと脱力感でいますぐにでも寝たい気分だったけどそういうわけにもいかない。
　投げ飛ばした時の衝撃で落ちて動けないみたいだけど、あくまでも一時的なもの。
　つーか復活されたらいろいろ尽き果てた俺はあっという間に人生オワタ！　になるのでさっさと拘束する。
　とは言っても魔法が使えないのでバインドは無理。
　だからとりあえず両手首を抑えて片手で拘束して、もう片手は敵の首に。あとは体重つかって押し倒すように拘束するしかない。
　体が接近したせいだろうか。
　さっきまでぼんやりとしか見えなかった敵の全体像がようやく見えた……ん、だけ、ど……。
　俺がちょうど敵の全貌を視認したとき、敵も意識が戻ってきたようで俺と目がばっちり合う。
　……さて。
　状況を整理してみよう。
　目の前には俺が押し倒している敵さん。敵さんは女の人だったみたい。
　そんでもって敵さんはどうも見たことのあるシスター服をきていらっしゃる。
　そして俺を怯えた兎みたいに目に涙ためながら見て、一言。


「お、お願い、殺さないで……たすけて……」


　…………うん。
　その瞬間、俺の中で次にやるべきことは決まった。
　この時俺の中に“敵がシスターに偽装していた”という考えは欠片も、というかある一つの事以外はすべて吹き飛んでいた。
　ならば、はややかに実行することにしよう。





「す、すいませんでしたーーーーーーーーーーーッ！！！」
　
　



　いいながら俺はバックジャンプスライディング土下座という離れ技を成し遂げた。









*****







　あの後、地面に頭を擦り付けるように土下座しまくった。
　シスターさんが唖然として我に返った彼女からストップがかかるまで延々と土下座しまくった。
　ちなみにバルはその間俺の離れ技に爆笑しまくっていたとだけ言っておく。ｷﾞｷﾞｷﾞ。
　で、お互いに情報交換したところ。
　なんというかお互いに勘違いだった言う結論に達した。
　なんでもあの部屋は聖王教会の信仰対象である聖王の遺骸が安置されている場所らしく、立ち入り禁止区域なのだそうだ。
　でもじゃあそんなところになんでシスターさんがいるのかと言えば。
　俺が部屋に入ったときに見た豪華な調度品の数々がその答えというか。
　いくら立ち入り禁止区域といってもそのまま放置しておけば埃はたまるし汚れもする。
　聖王の安置所とも言うべき神聖な場所を汚いままにしておくわけには当然いかない。
　ある程度は魔法でどうにかなるのだそうだが、全部というわけにはいかず。
　定期的に教会上層部で許可を受けた一部のシスターが部屋の掃除とかをするのだそうだ。
　今日はたまたまその日だったらしく、彼女は仕事をこなしていたらなぜか俺という侵入者と遭遇してしまい……。
　それに本来ならあの部屋への道は基本的に閉ざされており、彼女たちが掃除で入るときも専用の認証キーが必要。
　更にあの部屋の前にあった重厚な扉にもさっきのとは別の認証キーが必要で、認証キー自体も毎回変更されているので侵入者なんぞありえないはず。
　だってーのにＢＪ着た俺という存在がいたので彼女もあわてて全力全壊で対応したという事だった。
　ついでにあの幻術はその“万が一”用の進入者トラップで認証キーがないとレジストできないのだそうだ。
　……俺は思った。
　彼女の言っていた“上層部からの許可”っていうのはきっとAMF化での戦闘でも侵入者を圧倒できるだけの能力がるってのが絶対に要素の一つだと。

　掃除自体は終わっていたらしいのでそのまま出口まで案内してもらい、俺と彼女は別れた。
　今日のことはお互いに黙っているって約束もわすれずに。
　俺はこの件がばれたら絶対にシャッハのスーパーフルボッコタイムだと思っていたので渡りに船だったが、彼女はなぜに？　と思ったので聞いてみると本当なら掃除の最中でも部屋の扉は閉めていなければならないのに今回は開けっ放しにしてしまっていたから、と答えてくれた。
　……そしてそーいえば開けっ放しだったからバルに突撃させられたんだったなあ。
　と、俺のほうも納得がいったのでさっさと部屋にもどることにしたのだった。
　正直報告されてフルボッコな展開は覚悟していたのだが……よかった！　お茶会あるからってことで教会の騎士服着用しててほんとによかった！
　局の服とか着てたら完全にアウトだったよ！！！


「それでは、ソウマ様」

「ああ、ほんとごめんなツヴァイさん」


　別れ際に、そう言葉を交わして。










































　にしても、あんな金髪シスター教会にいたっけかなあ……？
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＞くるるくさん
す、すいませんでしたーーー！　
コメントが管理者オンリーの方だったので見落としてました、ほんとすいませんorz
主人公はネタ路線ですよええ勿論ｗ
でもたまーにシリアスっぽいのも挟んだりしますが、彼の本質は変わりませんｗ

＞量産化の☆さん
な、なんのことかなっ！？(汗
まあ機動六課入りは今後しだいということにしておいてくださいませｗ
覗きというかなんというか。
あれです、会談に参加するつもりだったんだけど用事で遅れてたまたま窓から見知らぬ男が一緒にいたので自然と……って覗きじゃねーか ！（爆
リサイクルショップの店長に関してはいずれｗ
だ、だからどうしてそうシュウをロリコンにしようとするんだああああ！ｗ

＞カワウソさん
意識しているわけではないのですが、気づけばいつも超難度フラグしかたたせてないという。
ギン姉推奨ですか～……ってだからそれだとロリコンですよ！　１０年たてば気にならないかもしれませんけど！　
……あれ？問題ない？

＞るるさん
ありがとうございますー。
大丈夫です！　フラグは立ったら折れるものですから！（ぇ
まあいつかは真フラグたつかもしれませんけど、きっとそれは遠い未来に……。

＞あさとさん
まあ今回はシャマルさんがいないだけマシだったとｗ
遠距離からのリンカーコアぶちまけろー、は最強です。ある意味ではSLBよりも怖い魔法ｗ
フラグが立ったような立ってないような。それがシュウのクオリティ！
大丈夫です。よゆーでヤラレっす！ｗ

＞ぶらっくさん
ありがとうございますー。
リアルが忙しいっていうのもあるんですがいろいろと出まくってるのでついそっちをorz
とりあえずこのＳＳを放り出す気はかけらもないので気長にお待ちいただければと……。

あ、悪魔の蠅だとっ……！？　ま、まさかっ！

＞Mr.Tさん
もちろん怒られますｗ
その辺は次回か、もしくはＳＳＳの方でやりたいと思ってますー。






＞更新・・・更新が・・・・遅いッ!・・・やはりここらでこのブログはジャックさせて頂こうか・・・・
ジャックされる！？　馬鹿な！電磁シールドを素通りするだとー！？

＞(・з)ナンダヨウ、オモスレージャネェカヨゥ。
おおう、サンクスですｗ　更新速度はあれですがorz

＞ベル様がみてる（ニヤソ
どこっ！？　どこにっ！？　ベル様、どうか私めを下僕にー！（マテ

＞ギンガよ、大好きなお兄ちゃんが落とされる前に落としてしまえ！
な、なんだってー！？　本格的にシュウをロリコンにする気かーｗ

＞よしシュウ次はFateを貸してやるんだ１８禁、全年齢、どっちを渡すか君次第だ
ふふり。わかってるぜ、ここはあえて１８禁ｂ（ﾊﾗﾜﾀｦﾌﾞﾁﾏｹﾛー!　ｱｯー！

＞シュウのヘタレ分が不足してきた・・・・ヘタレ分が不足すると頭痛、倦怠感、思考力、血圧の低下などの諸症状を引き起こします。
ま、まさかそれは噂のＨＥＴＡＲＥ症候群！？　……うう、更新遅くてごめんなさい。


＞おもしろかったです。暑い日が続きますが体調をくずさぬようお気をつけください。次の更新も楽しみに待っています。
＞続き、楽しみにして待ってます
＞面白かった。次も期待してますぜー
ありがとうございますっていうか一ヶ月も空いてしまってしかもまだSSできてないとかあばばばばばば。
が、がんばります。


＞シュウのフラグ乱立とクラッシュぶりに爆笑です。続き楽しみにしています!
ら、乱立してるかなあ。まあ結局クラッシュしてるのでプラスマイナスゼロなわけですがｗ

＞カリムに貸した美少女ゲームが原作の小説ってそれ散るか？
ＯＮＥってゲームですよーｗ

＞そーいやシュウはｓｔｓ本編はどこまで見ているのでしょうか？エリオのことは知っているけど6課設立の本来の目的は知らない。うーむ

。
シュウはSts本編は全然知らないですよ。A’sまでです。エリオの件もバルがいってるだけですしね。フフフ。
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