2008.08.06.Wed
注意! というほど大げさなものではないですが。
今回のお話には作者の独自解釈が一部含まれています。
なので読者の方の中にも「これはちがうんじゃねーか」と思われる方もいると思いますが、あくまでも作者の見解でしかないので読者の方それぞれの見解を否定するものではございません。
ついでにこの時点で主人公はsts本編で言う六課の「真の目的(理由)」の方は当然知りません。
その辺を念頭において読んでいただけると幸せになれるかもしれません。
深く考えない(ツッコまない)こと、これ重要!(ぇ
あ、指摘とはまた別ですよ?
今回のお話には作者の独自解釈が一部含まれています。
なので読者の方の中にも「これはちがうんじゃねーか」と思われる方もいると思いますが、あくまでも作者の見解でしかないので読者の方それぞれの見解を否定するものではございません。
ついでにこの時点で主人公はsts本編で言う六課の「真の目的(理由)」の方は当然知りません。
その辺を念頭において読んでいただけると幸せになれるかもしれません。
深く考えない(ツッコまない)こと、これ重要!(ぇ
あ、指摘とはまた別ですよ?
カチコチとアナログな時計の秒針が刻む音を背に、俺はようやく読み終わった紙束を机に置いた。
そして机を挟んだ向かい側で固唾を呑んで見守っていた二人と視線を交わす。
それが合図だと気づいたであろう二人からは先ほどの緊張が更に強くなったような気がした。
しかしそんな事は知ったことではない、そう言わんばかりにできるだけ平淡な声で、俺は彼女達に告げよう。
一時の間。
ほんのわずかな時間差でもって、俺はゆっくりと口を開き
「――35点。やり直し」
<どう見ても赤点です。ほんとうにありがとうございましたー……って、あ。またザ・ワールド発動してますよますたー>
そんなバルののほほんとした声とは裏腹に、目の前にいた二人の女性。
カリム・グラシアはそのままの体勢で時間が停止したように微動だにせず硬直し
そしてもう一方、リアルで見るのも会うのも初めてな彼女――八神はやては漫画の1シーンのように机に突っ伏したまま硬直していた。
それからおおよそ5秒ほど経った頃だろうか。
そして時は動き出す、の言葉通りつっぷしていた八神がのろのろと顔を上げた。
「そ、ソウマさん……」
「ん?」
「……ゴセツメイヲ」
淡々とつむぐ声と様子はまるで幽鬼のよう。
つか素で怖いですよ八神さん。全壊モードの高町ほどではないが。
……それに説明をお願いしたいのはむしろこっちのほうだ。
今日もいつものようにシャッハにぼっこぼこにされて食欲減退気味に朝食をとっていた時。
シャッハに何の前フリもなく午後の訓練は中止するからお茶会にでやがれといわれて、内心で小躍りしながら承諾したんだ。
そしていざ来て見ればそこには俺の知らないもう一人。
そこでカリムにその一人がもはや記憶の奥底に埋没し始めていた原作知識にあった、最後の主役級「八神はやて」だと紹介された。
まあ八神自体は原作でも割りと人畜無害なキャラだったので特に緊張も危機感もなく、お互いに挨拶とかして雑談しながらしゃべっていた。
……はず、だったのに。
いつの間にかどうみても部外者な俺の目の前で打ち合わせを始めるお二人さん。
あれか。
これは俺をどうせ密告もできないヘタレだって言外に言いたいのか? そうなのかっ!?
にしたってカリムはともかく八神! お前は初対面じゃねーか! カリムに何言われたのか知らんけどもっと警戒しろよ!?
<周囲に溶け込む程度の能力……直訳するとテラ空気www>
だ、黙れッ!
お前はその言葉の毒素を少しは抜きやがれ!
……ち、ちがう! そんなはずない! お茶の途中からなんとなく疎外感感じてたとかそんなことはないんだああああっ。
<えいえんはあるよ。ここにあるよ>
俺を勝手にえいえんの世界にとばすんじゃねえええええ!!!
っ。
そ、そんな個人的にどうでもいいことはさておいて。
それでしばらくしたらお二人はまるで初めてそこに俺がいたことを思い出したかのよ……かの、よ……かの、よ、ぅ、に……(つω;)
ええい、なんでもないっ! なんでもないったらないっ!!!
それで! (まるでそのことを誤魔化すかのように)俺に(テンパった)カリムが紙束差し出して意見を求めてきた! 以上! おわり!
<精神防御に入りましたねますたー。しかーし、以心伝心もとい邪心伝心な私にはその()の中身すら読み解けるっ! ……ふっ>
「てめえは黙ってろっつっただろおおおおがあああああああッ!!!」
ついでにメタなこといってんじゃねえええええ!!!
気合一閃。
さっきから自己主張の激しいこの超★不思議ぽんこつデバイスをひっつかむと俺は感情の赴くままに、身体強化までして開け放った窓からブン投げた。
<ぽ、ポイ捨て禁止ぃいいいいいいーーーーーー!?>
きらーん。
そんな効果音を錯覚させるくらいきれいに飛んで行った。
……まわりがぽかーんとした顔で見てるがしったこっちゃない。
どうせあの摩訶不思議デバイスのことだからほっぽっててもそのうち戻ってくるだろう。
三日前に粗大ごみで出したらその日のうちに戻ってきたし。満身創痍で。
と、俺がやり遂げた顔で晴れた鬱憤にすっきりしていると
「あのー、ソウマさん?」
「んー?」
「もしかしてちょっと脳がお疲r「おだまれっ!」あいたああ!?」
……失礼な事抜かしそうだったのでさっきの紙束丸めてすぱーん!と先制しておいた。
そのときに「な、ナイスツッコミや」とか言ってたが聞かなかったことにした。
*****
「で。脱線しまくったけど、説明だっけ?」
「は、はい」
とてもグダグダになったので改めて仕切りなおし。
八神から遅れて我を取り戻したカリムも話を聞ける状態になったようだし。後ろのシャッハの睨みが通常の1.5倍だが。
……さて、説明か。
そうは言うもののたいしたことじゃないんだけどねー。
「なあ、八神。この部隊のコンセプトって『事件とか後手後手が多いので先手打てるような部隊をつくりましょー』でいいんだよな要約すると」
「あー、その、まあ要約すれば」
「で、この過剰つーか殲滅戦でもやるのかよと言わんばかりの戦力もその一環と」
「はい。先手を打つにしても今までの部隊戦力だとどうしても対処しきれないものが「はいダウト」へ?」
いや、そこで不思議そうな顔するなよ。
ここがまずおかしいだろうが。
「先手うつのに戦力が多くいるのはわかる」
でもな
「最大戦力のオーバーSランク三人をリミッターかけてランクダウンさせてまで突っ込む必要はあるのか?」
そう。まずここがおかしい。
この資料によると、普通に戦力という点で考えれば高町、フェイト、八神の三人が最大戦力(火力)なのだ。
だっつーのにわざわざリミッターをかけるなら入れる意味が無い。
それならそもそも外してしまって、その代わりにAAAなりを多めにいれる方がよっぽど効果的だ。
マンパワー、というか人海戦術を使うにしろやはりS1人よりAAA2、3人のが効率がいい。
経験といった点でみるならなおのこと。
たかが10年に満たない三人よりも、もっと経験が豊富な局員はたくさんいる。
……ってこれしかも自己リミッターじゃないし。
解除にいちいち上司の承認が必要で回数も制限されてるとかほんとダメダメじゃないか。
なにか八神が俺の意見に何か言おうとしているが封じる形で俺は更に言葉を乗せる。
それにこれが一番のこの立案書のわけがわからん点だし。ここは畳み掛けとこう。
「そして、なぜに新人をいれる」
「え?」
だからそこで不思議そうな顔をするなよっ!
俺よりエリートなんじゃないのか!?
こほん。
あー、経験上新人はぶっちゃけ使い物にならない。俺自身が足ひっぱりまくってたしorz
この部隊コンセプトで新人を入れるのは間違ってるとしか言いようが無い。
“先手をとる”ということはつまり、最前線にたつということだ。何もかも。
つまり情報が不足してる場合でもつっこまにゃならん場合も想定されるっつーことで。
……そんなとこに新人つっこんでどーしろと。
どんなに才能があったって、たった1年じゃどんだけ指導しても中途半端に終わるのがオチ。
それに、高町じゃなあ……。
しかしこの言葉にはさすがにむっときたのか、友人である八神はもちろんカリムまで反論してきた。
「な、なんでですか! なのはちゃ……高町一等空尉は戦技教導官で、優秀な局員ですよ!」
「そうですよ。私も色々と話をききますけど人格能力共に“エースオブエース”の名に相応しいと思いますよ」
いや、だからね?
「優秀すぎるんだってば」
「「……へ?」」
そこ、なに言ってんだコイツ的な目で見ない。
確かに高町は優秀だけど、その攻撃力の半分でもいいから分けてほしいくらい優秀だけどっ! それ故の弊害というか。
単純に技術を教える分には全然問題ないのだが、どちらかと言えば今回のは育成に近いっぽい。
高町は才能がある、いわゆる天才型だ。無論努力もしてるのだろうけど。
だけど大多数は秀才型だ。つまり努力してようやくたどり着くかつかないか、の。
この二つ、実はけっこう差が大きい。
それは能力云々という話ではなく、“感覚”の差が大きい。
天才では当たり前のように理解してたり、できることが、実は秀才型の人間は言われないと気づかなかったり、理解していない場合が多々ある。
それでもある程度部隊でもまれて、実戦慣れしてくれば文字通り身にしみていたりするので問題がなかったりするが、新人は別。
実戦経験も浅く、然して部隊で碌にもまれてもいない。
なので今までずっとそういう人相手に教導していないであろう高町に、はたしてできるのかなあと思ったわけだ。なんか基本的なとこ端折りそう。
まあ、高町はまじめだからマニュアルとか買って勉強したりはするはずだから大丈夫な気もするけど。
もし新人いれるならもっと前からスカウトしてどっかの部隊に放り込んでおく方が、いざ立ち上げのときに使えるレベルになってるからその方がいいかなとも思う。
……どうでもいいがまた昇進したのか魔王陛下は。
そしてあらかた俺が言い終えると、当然だがいろいろ八神が反論してきたがそのほとんどは上記の論理でねじ伏せておいた。
……ん? 上記ってなんだろう?
まあいいや。
フフ、八神よ。口先で俺に勝とうなんざ10年はえーぜ。
ここ何年間かは攻撃能力皆無のせいでネゴシエイターの真似事することも多々あったからな!
……うう、何だろうこの敗北感……。
俺ってほんとに戦闘魔導師なのかなあ……orz
そんな感じにつらい過去を思い出して思わず涙がでそうになったりしながら長い沈黙に耐えていると、今まで考え事モードに入ってずっと黙っていた八神がどこか張り詰めた空気を解くように溜め息をついて、ゆるゆる顔を上げた。
「なあカリム……」
「はやて?」
「私も私なりに考えてたつもりやったけど、やっぱりまだまだやなあ……」
「はやて…………」
「そーなんよね、言われてみれば。ほんと、修正の必要ある所がこんなにあるなんて、ソウマさんに言われるまで全然気づかんかった」
だめだめやなあ。
どこかしんみりとした空気を孕んだその言葉を最後に吐き出すや、また八神は黙り込んでしまった。
……えーっと。
な、なんですかこのお通夜みたいな空気!?
俺ただ指摘しただけだよね!? ねえそうだよね!?
なのになんでこんな空気になるの!?
と、ともかくフォローだ。フォローしないとまずい予感がするっ。
「あー、その八神?」
「……あ。は、はい」
「えっとだな。お前はまだ指揮官研修中なんだろ? それにほら。俺みたいにあっちこっち有無を言わさず飛ばされてるわけじゃないから経験を積むのもまだまだこれからだというか、あくまでも俺のは意見に過ぎないから八神が今のでいいと思ってるならそのままやってもいいと思うというか、えっと、その……」
「…………」
だあああああ!
さ、最近どっちかってーと慰められてる側にまわってたからこういう時どーいう事言えばいいのかわからーん!
なので切羽詰った俺は
「あんま気にすんな! 元気だせっ! なっ!」
昔ギンガやスバルにやったように八神の髪をわしゃわしゃとして、強引に収拾を図ったのでした、まる。
は、恥ずかしい! 自分でやっといてなんだがめっちゃはずい!!!
そして俺が言い放った言葉により再び空気が変な風に停止。
で、肝心の八神はというと、何が起きたのかよくわからないといった感じに瞼をパチパチと幾度か瞬きした、その後
「……ぷっ……くくく……」
「は?」
「え?」
ネガティブオーラはいつの間にかどこかに消し飛んでいて、気づけば肩を震わせながら笑いを堪えているようなくぐもった声が。
そしてとってもわざとらしく、俺からもそれとわかるように上目遣いに俺を見て、ニヤリと笑みを浮かべて八神は言った。
「ソウマさん、それ、もしかして慰めてるつもりですか?」
「え、あ、いや……」
「えーちがうんですかー、私の勘違いやったんですかー、かなしー」
「いや、違わんけど。……え? え?」
おかしい!?
なんかいつのまにか攻守いれかわってるっつーか、おい八神! さっきのしんみり空気はどこへやった!
そしてまたなんか笑いだしてるし! 俺にどーしろっての!?
完全に場の空気をつかみそこねた俺はオロオロというかしどろもどろ。
八神は八神でそれのどこがつぼに入ったのか最初の時みたいに突っ伏したまま、必死に笑いを堪え続けている。
……あー、なんだこのカオス。
カリムはいまだわけがわからずちょいうろたえてるが、俺は完全に傍観モードに入った。色々開き直ってあきらめた。八神の笑いがおさまらんと話がすすまん。
そんなこんなで更に時間経過。
ようやく笑いが収まった八神は半眼でじとーっと見ていた俺にまず一言謝ると、笑いすぎて出てきた涙を拭ってから話し始めた。
「私は全然気にしてませんよ。……まあ、かなり時間かけて立てた立案書やったんでちょっとはショックでしたけど」
「あー……その」
「あ、いいんです。ソウマさんのおかげで再考すべき点もはっきりしましたし、私がまだまだだってこともわかりましたし。だから――ありがとうございました」
「八神……」
そう言う八神の瞳の奥には、何かしらの決意が垣間見えて。
ありがとうと笑う彼女がどうしてか、とても――…………ってまてまてまてまてっ!?
おちつけ、おつくんだ俺。年齢的には微妙な線だけどどっちかってったらアウト!
お、俺はロリコンじゃない、ロリコンじゃないんだ! だから八神にときめいてなんかいないんだああああああ!!!
<認めろよ……お前は生まれたときからきっと>
ちっげええええええええ!!! だまりやがれええええええええっ!!!
って。
条件反射で念話で返してしまったが、どこかきいたことのある声。
そう思ってなんだかまた八神とカリムがこそこそ密談しているのをよそに、テーブルの下を除いてみる。
するとやっぱりと言うべきか、全力投球で投げ捨てたはずのデバイスが満身創痍でそこにあった。
……やっぱこのデバイス精密検査すべきなんだろうか。市販の機器じゃ走査受け付けねーし。
<あのリサイクルショップの店長め……またしても目ざとく見つけよってからに。げ、原子分解なんてされてたまるもんかっ!>
分解してどーする。
まあきっと原子分離機にかけられそうになったって事なんだろうけど。……チッ、殺るならきっちりやりやがれ店長め。
心の中で盛大に舌打ちしつつも、俺は打ち捨てられたかのような惨状の件のデバイスを手にとってポケットに突っ込んだ。
……その、あれだ。
まだなんだかんだでコイツがないと困るし。デバイスって実は高いんだぜ。自作は許可いるし。
それにもう十分にお仕置きは済んだようなのでご機嫌取りも兼ねてちゃんと整備してやろう。
と、脳内でそう結論付けた――まさに、その時の事だった。
「……ッ!?」
感じる。
どこからか感じるこの刺すような視線ッ。
それでいてどこまでも冷酷になれるよと言わんばかりの俺だけに向けられたピンポイント殺意ッ!
似ている。
すっごく似ている。
俺はこれに似たものを聖王教会で暮らし始めてから頻繁に感じている。
そう、これは――
<ますたー、実は私ますたーの惨状の一部始終を見ていたわけですが……どーもそれは私だけでは無かったようでして>
はい!?
<ワタクシ、優秀なデバイスですから。ますたーが開け放った窓の向こうにさっきまでずーっと三人分の気配が>
寝言は寝てから言いやがれ誰が優秀だ!
そしてそういう事はちゃんと言えよっ!?
っていうか何か、それじゃあさっきまでのを全部見られて……ってまて。
<なんでしょ>
いま、お前、“さっきまで”って言わなかった?
<言いましたよ。うひひひひひ>
…………あの、バルさん。
できれば私めにその三人はどこにいったのか是非教えていただきたいのですが。
<いいですよー……現在急速接近中。ぽにて、ようじょ、犬っぽいのが>
頼んでも無い詳細な情報ありがとよっ!?
ってかその三人はマジでやばいってばああああああああああ!!!
密談が終わったのかいつの間にか八神が俺にむかって何か言ってきているが正直まったく頭に入ってこない。
そんなことより俺の命が本気でやばい。薄れた原作知識しかなくてもなんとなくわかるッ。
ってなんで俺はこんな殺意むけられりゃならんの!?
俺なんもしてないじゃん!!!
<ますたー。距離があるんで外からじゃあ音は聞こえないんですよ。だから、八神ちゃんが“なんで涙を拭っていたか”はわからんのですー♪>
………(思考中)。
……………………だめじゃん! それじゃあ俺もう完全に敵性認識されてるじゃないか!!!
たとえそれが誤解だったとしてもそれを解く余裕はおそらく無い。
扉から奴らが突入してきた時点でオワル。
それに教会内だっつーのに魔力をこれでもかと自己主張しているあたりきっと説得とか不可能。
車は急には止まれない。
暴走列車は止まらない。
レ・ラナ○デス。
ってそんなことはどうでもいい!
もうなりふり構ってられない、このままじゃ間違いなく俺の存在が滅却される。
唯一の救いは遠距離からブチ撒けられる可能性が無いことだがその分、直接的なダメージはきっと計り知れない。
無断でしかも窓から退出とかしたらあとでシャッハの地獄のしごきとかまってるに違いないけど、そっちのがマシだああああああ!!!
意を決した俺は即座に椅子を弾き倒しながら反動つけて立ち上がり、窓に向かってダッシュ。
窓までの距離を強化した身体能力でもって一瞬にしてゼロに。
そのまま窓に足をかけてポケットから取り出したデバイスを起動状態プロセスを開始させる。
<あらー、残・念☆>
――が。
まに、あわなかった、らしい。
反射的に振り向いた俺の視界に映ったのは弾け飛ぶ蝶番と、三つの閃光。
スロー再生される視界では、閃光が尾を引きながら俺めがけて飛んでくる様子はまるで流星のよう。
「我らが!」
「主はやてに!」
「何しやがったテメエエエエエエエ!!!」
そんな素敵な罵倒とともに襲い掛かる衝撃衝撃衝撃。
生身の俺にそんなんが耐えられるはずも無く、ブラックアウトしていく意識の中。
すごく慌てた様子で駆け寄ってくるカリムの姿だけが辛うじて見て取れた――。
こ、これが噂のジェットス○リームアタック…………ガク。
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